ZnOは、金属酸化物の中でも比較的安価で、且つ豊富に存在する亜鉛を利用した材料である。そのため、様々な分野で広く利用されている。以下では、ZnOの主な応用分野について説明する。
- 医療分野
ZnOは、医療分野でも利用されます。例えば、創傷用の軟膏や皮膚科の治療薬などに使用されます。ZnOは、抗菌性や殺菌性があるため、創傷治療に利用されることがある。また、UVカット剤としても使用されます。 - 電子材料分野
ZnOは、半導体材料としても利用されます。半導体とは、導体と不導体の中間的な性質を持つ材料であり、電子や電荷の移動が起こりやすい特性を持ちます。ZnOは、広いバンドギャップを持つため、UV光の吸収や発光など、光に関する応用が可能です。そのため、LEDや太陽電池、透明導電膜などの材料として利用されます。 - 触媒材料分野
ZnOは、触媒材料としても利用されます。触媒とは、化学反応を促進する材料のことです。ZnOの触媒活性は、ZnOの表面積や結晶性などによって大きく影響を受けます。そのため、ナノ粒子化することで表面積を増大し、触媒活性を高めることができます。 - 環境分野
ZnOは、光触媒としても利用されます。光触媒とは、光の照射によって化学反応が起こり、有害物質や臭気を分解することができる材料のことです。ZnOは、紫外線を吸収する性質があるため、光触媒として利用されることが多いです。具体的には、水質浄化や空気中の有害物質の分解など、環境分野での利用が期待されています。
- 織物分野
ZnOは、織物分野でも利用されます。ZnOを繊維に付着させることで、抗菌性やUVカット効果を持たせることができます。これにより、医療用の衣料品やアウトドア用品などに利用されます。
以上のように、ZnOは多様な分野で利用される材料であり、その応用範囲は非常に広いです。また、近年はナノ粒子化技術の発展により、ZnOの機能性が向上することが期待されている。一方で、ZnOは微小粒子として吸入されると健康への影響が懸念されるため、安全性についての研究が重要です。
まとめ
ZnOは、安価で豊富な亜鉛を利用した材料なので様々な分野で利用されています。医療分野では、抗菌性やUVカット効果があり、創傷治療薬やUVカット剤として利用されます。電子材料分野では、LEDや太陽電池、透明導電膜などの材料として利用されます。触媒材料分野では、表面積を増大させることで触媒活性を高めることができます。環境分野では、光触媒として利用され、水質浄化や空気中の有害物質の分解などに利用されます。織物分野では、抗菌性やUVカット効果を持たせることができるため、医療用の衣料品やアウトドア用品などに利用されます。
最後に、、
僕の周りの研究室では、ZnOを紫外線のセンサーとして用いています。ほかにも酸化チタンなどのワイドバンドギャップ半導体を用いて紫外線のセンサーを作ったりするようです。しかし、ZnOのほうが、酸化チタンよりも優れている点もおおくあり、例を挙げると、
①酸化チタンの吸収域は最長約400nmまでなのに対し、ZnOは最長380nmまで吸収できる。そのため、紫外線吸収としてはZnOのほうが優れているとされる。
②透明性において、二酸化チタンよりも高いので、ZnOは、太陽電池や液晶ディスプレイなどの光透過性が求められる分野でも利用できる。
③ZnOは、高温になっても、安定な化合物なので、高温下での利用に適している。
④安価である
ワイドギャップ半導体には、他にも、窒化ガリウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウムなどがありますが、時間があればそれらの材料についての記事も出していきたいと思います。
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